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活動報告

H24.8.20「流れる水の働き」学習会

日時:平成24年8月20日(月)午前
場所:島根県大田市内 静間川流域

 教員向け科学コミュニケーション講座第3回目として、大田市内を流れる静間川流域をフィールドとして、
小学校5年生理科「流れる水の働き」についての学習会を実施しました。バスで移動しながら、静間川の下流・中流・上流の各地点での観察と解説を行いました。  
   なお、この講座は大田市教育研究会 理科部会との共催で行ったものです。


         河口部での解説の様子

 参加者は、大田市内の小・中学校の先生方9名、講師はサヒメルの河野研究員(地学)でした。まずは、静間川の下流での観察を行いました。下流では最初に、橋の上から川の様子を観察し、橋の長さを利用して川幅の測定を行いました。その後、歩いて河口部へ移動し、川が運搬してきた砂や小石が堆積している様子を観察しました。
 また、観察した小石の中には、三瓶山由来の白色や赤色をした石(デイサイト:石英安山岩)もふくまれていることなどの説明がありました。

 
         中流での解説の様子                    中流で見つけた赤色や白色のデイサイト

 続いて、場所を内陸に移動し、中流部での観察を行いました。ここでも、まずは橋の長さを利用して川幅の測定を行いました。その後、河原へおりて、河原の石の平均的な大きさについて議論したり、石の観察を行ったりしました。河口部では1㎝に満たないほどの大きさだったデイサイトですが、中流では拳ほどの大きさのものから、頭ほどの大きさのものまでも見ることができました。
 先生方からは、観察の際に特に注意して観察すべき点や、岩石のでき方などについての積極的な質問がなされていました。

 最後に、中流から更に三瓶山側へ移動し、上流での観察を行いました。今回の最終観察地点は、静間川の源流の1つとされる浮布池としました。
 上流でも、浮布池から流れ出す小川での川幅の測定を行いましたが、下流や中流と比較して川幅は狭く、流れもおだやかでした。

 活動後、先生方からは、「知らないことを知れてよかった」などの声がきかれました。また、「実際に子どもが川へおりて観察できる場所がもっとあればよいのになぁ」といった声や、「より川のイメージがのこりやすい場所でも観察させてやりた い」といった声など、熱意のこもった声も聞かれました。安全確保のしやすさや、観察場所までの移動のしやすさなどの問題を考慮した上で、より実感の伴った 学習への効果が期待できる学習プログラムの開発が今後の課題になると感じました。
 今回の学習会は、地域の教育素材を知る機会として、また教材研究の場として有意義なものになりました。
  浮布池から流れる小川での川幅の測定の様子